東洋医学コラム(脱水症に効く漢方薬、五苓散)

 

みなさんこんにちは。これから、日々の健康に役立ちそうなお話を不定期にて掲載していきます。今回は、脱水症の治療に使う漢方薬についてです。

脱水症に使う代表的な漢方薬は五苓散です。沢瀉、蒼朮、猪苓、茯苓、桂皮という五つの生薬が含まれ、体内の水分バランスを調整し、気をめぐらせて温めます。五苓散は、利水剤といわれるもので、体内の水分バランス調整に使われます。

東洋医学では、気、血、水の三つのバランスが崩れることで病気が引き起こされると考えます。利水とは、この気、血、水のうち、水の異常に利(き)くという意味です。心不全や足のむくみの治療に使われる利尿剤と言葉が似ていますが、利尿剤は腎臓から体の余分な水分を一方的に出す作用しかないため、効きすぎると脱水症になります。利水剤である五苓散は、体内における水分のアンバランス(東洋医学では水毒といいます)を改善することで効果を発揮するため、浮腫の治療、脱水症の治療いずれにも使えるとても便利で不思議な薬です。

脱水症の時に、頭痛や吐き気、めまいなどの症状が起きますが、これは脳のむくみが原因です。体が脱水状態になると、脳を保護するため脳に水分を蓄えようとします。その結果、脳はむくんで水分が異常なくらい豊富になりますが、脳以外の場所は水分が不足している状態になります。この脳と脳以外の水分のアンバランスを改善させる効果が五苓散にはあります。少し難しい言い方をすると、水チャンネル(アクアポリン)に作用して効果を発揮します。脳のむくみへの効果を考えると、点滴よりも即効性が期待できる場合もあります。

五苓散は、脱水症以外にも二日酔いや感染性胃腸炎など幅広く使われます。ちなみに、二日酔いの症状も脳のむくみが原因です。暑くなると、冷たいビールがほしくなり、ついつい飲み過ぎてしまいがちですね。そんな時は五苓散をぜひお試しください。また、漢方薬全般に言えることですが、顆粒をぬるま湯に溶かしてゆっくり飲むのが効果的です。脱水症以外にも胃もたれや下痢などの消化器の病気にも効きます。

脱水症対策、さらに二日酔いや感染性胃腸炎の対策に五苓散をお勧めします。顆粒が苦手な方には錠剤もあります。漢方薬にも副作用はあります。今服用している薬との飲み合わせや体質によって効果の差がありますので、ご希望の方はぜひ受診してください。

 

東洋医学担当医:門元 俊樹

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